○浮島委員長 次に、輿水恵一君。
○輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。
本日は、質問の機会を与えていただきましたことに心より感謝を申し上げます。
早速質問に入らせていただきます。
マイナンバーカードを活用した、より安全で安心な地域の構築について伺います。
マイナンバーカードの申請受付数は八千五百万を超えて、普及率が七〇%に迫ろうとしています。マイナポイント事業の延長もあり、更なる普及が期待をされるところであります。
今後の課題は、カードがあっても使い方が分からない方々への丁寧な対応です。ここで大事なことは、習うことよりも慣れることだと私は思っております。マイナンバーカードの保険証や免許証としての活用以外にも、日常の様々な場面での利用機会を拡大することが重要と考えます。
そこで、生活の現場でのマイナンバーカードの利用拡大による安心で便利な地域の構築に向けて質問をさせていただきます。
初めに、自治体のボランティアポイント等への自治体マイナポイントの活用について伺います。
現在、各自治体では、高齢者等の健康増進や地域活動への参加を促すためにポイントを付与する事業、いわゆるボランティアポイントや健康マイレージ等を展開をしています。
そこで、このマイナンバーカードによる参加確認や、自治体マイナポイントと連動したポイントの利用を進めることも大変に有意義かと思いますが、当局の見解を伺います。
○大村政府参考人 お答えいたします。
国民の皆様にマイナンバーカードのメリットをより実感いただくためにも、自治体が独自の給付策を実施する際に、カードを活用して本人確認を行い、簡単、迅速にキャッシュレス決済のポイントを受け取ることができる自治体マイナポイントの取組を推進しておりまして、現時点では五十九自治体の参画が見込まれております。
例えば、姫路市では国民健康保険の特定保健指導を受けた住民に対して、また、大分県では集落道の草刈りなどに参加したボランティアに対して自治体マイナポイントを付与することで、住民の健康増進や地域活動への参加促進を図っているところであります。
このように、自治体マイナポイントは、自治体独自の身近な給付施策に創意工夫をもってカードが活用できるようになることで、住民にとって、より利便性が高まるとともに、自治体にとりましても、健康寿命の延伸や地域の活性化などの独自の施策目的をより効果的に達成できると考えております。
このため、令和四年度第二次補正予算に計上した自治体向け補助金も活用しながら、こういった優良事例の横展開を進めてまいりたいと考えております。
以上です。
○輿水委員 ありがとうございます。
是非、自治体マイナポイントの拡大、よろしくお願い申し上げます。
続きまして、マイナンバーカードを活用した安心で安全な救急搬送について伺います。
高齢化また核家族化が進む中で、独り暮らしの高齢者や障害者に対して、マイナンバーカードを活用して、持病や処方されている薬等の情報確認により、より安全で安心な救急搬送を進めることも大切かと思いますが、現状と今後についてお聞かせください。
○澤田政府参考人 お答えいたします。
消防庁では、救急現場において、救急隊員が搬送先医療機関の選定を行う際に、傷病者のマイナンバーカードを活用いたしまして搬送先医療機関の選定に資する情報を入手することによりまして、救急業務の迅速化や円滑化を図るための実証実験を、今年度、六つの消防本部で実施いたしております。
現在、その課題を抽出しているところでございますが、現時点では、医療機関がマイナンバーカードにより患者の既往歴や薬剤情報等を参照する仕組みを利用、活用いたしまして、救急隊が口頭で情報を聞き取る際の傷病者の負担を軽減できること、また、救急隊がオンラインで傷病者の情報を正確に把握することによって搬送先医療機関に円滑に引き継ぐことができることなど、一定の効果があるものと考えております。
特に、高齢者や障害をお持ちの方を始め、地域住民の方は、マイナンバーカードを携行しておれば、万が一救急搬送となった場合においても、カードを活用することで、救急隊による搬送先医療機関の選定が迅速化、円滑化されることとなると考えております。
消防庁といたしましては、今後、マイナンバーカードを活用した救急業務の全国展開に向けましたシステムの構築について鋭意検討を進め、住民の皆様の安全、安心な暮らしの確保につなげてまいります。
○輿水委員 どうもありがとうございます。
実証実験の成果を踏まえて、是非横展開をよろしくお願いを申し上げます。
続きまして、マイナンバーカードを活用した正確で効率的な災害対応について伺います。
地球の温暖化等の影響により、災害は大規模化、また頻発化しております。このような状況の中で、各自治体において、マイナンバーカードを活用し、効率的な避難所運営や、迅速で正確な罹災証明書の発行の体制を整えておくことも重要と考えますが、現状と今後についてお聞かせください。
○五味政府参考人 近年、災害が激甚化、甚大化、頻発化する中で、被災市町村において発生する膨大な災害対応業務につきましてデジタル技術を活用することは、業務効率化のための有効な方法であると考えております。
このため、内閣府では、自治体のシステム整備の促進を目的といたしまして、クラウド型被災者支援システムを構築いたしまして、今年度から、地方公共団体情報システム機構、J―LISにより運用を開始しております。
このシステムにおいて、マイナンバーカードを用いて避難所の入退所管理を行う避難所アプリも併せて開発しておりまして、自治体にその活用を促すことで避難所運営の効率化を図ってまいります。
また、罹災証明書につきましても、マイナンバーカードを利用した自宅や遠隔地からの電子申請やコンビニ交付などを進めているところでございます。
内閣府においては、クラウド型被災者支援システムの普及などによりまして、マイナンバーカードの活用を図りつつ、災害対応業務のデジタル化を進め、自治体の災害対応能力の向上や被災者の利便性の向上を図ってまいります。
○輿水委員 どうもありがとうございます。
続いてですけれども、行政の効率化と利用者の利便性向上へ、書かない窓口、今進められていると思うんですけれども、また、書かない窓口から、今度は、行かない窓口への移行について伺います。
行政の窓口におけるマイナンバーカードの公的個人認証を活用しての情報連携による、書かない窓口の展開とともに、その場で、希望者に対しては、自分で端末等を操作していただきながら公的個人認証の活用に慣れていただき、将来的には、行かない窓口への移行を促すことも、住民にとっても行政にとっても大変に有意義なことと考えますが、当局の見解をお聞かせください。
○山本政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、多くの行政手続がスマートフォンで完結し、どこからでも手続できるようになることは、デジタル社会の目指すところでございます。
一方で、スマートフォンを使わない方や苦手とする方が窓口に来られた際におきまして、デジタル技術の活用による利便の向上や業務の効率化も重要と考えております。
この点、御指摘の書かない窓口の取組につきましては、利用する住民が窓口を何か所も回らずに済む、何度も同じことを書かずに済むということで、とても便利になったと住民の方に実感いただける取組だと承知しております。また、自治体の職員にとりましても、庁内の業務を活用することで、入力作業の削減等による業務の効率化につながっておりまして、デジタル化による住民の利便性向上及び自治体の業務効率化の好事例として横展開が始まっております。
この書かない窓口の導入は、デジタル田園都市国家構想交付金等によりまして、政府としても支援を行ってまいります。
他方、委員御指摘の行かない窓口を目指すことは、先ほど答弁申し上げたとおり、重要と考えてございます。窓口に来られた方に、例えばマイナポータルでのオンライン申請等を御案内することなども通じまして、誰もが便利なデジタル社会の恩恵を受けられるよう、関係省庁及び地方自治体とも連携してまいる所存です。
○輿水委員 どうもありがとうございます。
是非、書かない窓口、そして行かない窓口、両方をしっかり進めていただければと思います。
続きまして、マイナンバーカードによる公的個人認証を活用した民間サービスの展開について伺います。
例えば、現在、人気を集めているふるさと納税において、ワンストップ特例制度を活用した税額控除の申請には、各自治体にマイナンバーカードのコピーと申請書を送付する必要があります。ここで、この課題に対して、民間事業者の公的個人認証を利用したアプリの活用で手続をオンライン化したことにより、利用者も行政もその負担が大幅に軽減され、自治体での導入が進んでいると伺っております。
まさにこのように、民間のアプリ等を活用したサービスの拡充も大変に有意義かと考えますが、現状と今後についてお聞かせ願えますでしょうか。
○内山政府参考人 お答えいたします。
御指摘いただきましたように、ふるさと納税の税額控除の申請におきまして、公的個人認証サービスを活用した民間事業者のサービスを活用することで、利用者や行政の利便性が向上しております。また、ふるさと納税のアプリに限らず、公的個人認証サービスを活用した民間事業者のサービスを活用することで、行政サービスの効率化や住民サービスの向上が期待されます。
民間事業者における公的個人認証サービスの活用につきましては、現在、約百七十社に活用いただいておりますけれども、マイナンバーカードの普及が進む中で事業者の関心も高まっておりまして、本年一月より、電子証明書利用料の当面の無料化を行いますとともに、五月からは、カードの電子証明書機能のスマートフォン搭載、また、最新の住所情報等の提供サービスを開始する予定でございます。
今後とも、民間事業者に広く活用いただけますように、積極的に取組を進めてまいりたいと考えております。
○輿水委員 どうもありがとうございます。
電子証明書の利用料の無料化ということで、ますます民間の活用が進められるものと思いました。ありがとうございます。
そして、この後、最後、長谷川政務官にちょっと伺いたいと思いますが、ただいま、様々、マイナンバーカードの利活用を始めとする社会のデジタル化の進展や、GXの中で循環型社会への転換など、地域社会が今変革期を迎えているところであると思います。
このような中、様々な行政機関が、様々な課題に対して相談窓口というのは数多く開設をしてきている。住民の生活が多様化している中、また複雑化する中、また行政の縦割りの実情からやむを得ないのかなというふうに思いますけれども、ここで、何をどこに相談したらよいのか分からない地域住民も多いことと思います。このような現実に対しまして、相談窓口の元祖とも言える総務省の行政相談の果たす役割は大変大きい、このように思います。
そこで、政務官に、この行政相談の果たす役割についてお聞かせ願えますでしょうか。
○長谷川大臣政務官 輿水委員にお答えをいたします。
御指摘の行政相談は、国民の皆さんから様々な分野の御相談を、どこに相談してよいか分からないものも含めまして、幅広く受け付け、担当の行政機関とは異なる立場から、その解決や行政の制度、運営の改善を図る仕組みでございます。
全国五十か所に設置をいたしております行政相談センター、愛称「きくみみ」において電話や対面で相談を受け付けておりますほか、困り事のある方が住民の身近なところで相談できるように、全国約五千人の行政相談委員の皆さんに活動いただいています。
現場では、例えば、工事中の危険な通学路について、行政相談委員の主導によって関係者の話合いの場が持たれて、通学時間帯の車両の通行禁止が実現した、そういう様々な成果をお聞きしております。行政相談委員の役割の重要性は、改めて高いものと認識をしております。
引き続き、国民の皆さんに気軽に行政相談を利用していただけますように、先ほど来、マイナンバーカードの普及促進がありましたが、行政相談でも、デジタルによる手段も活用しながら、行政相談の利用促進に取り組んでまいりたいと思います。
○輿水委員 どうもありがとうございました。
以上で質問を終わります。