「認知症の人と家族の会」が主催する研修会にて、作業療法の視点での認知症への寄り添い方(在宅介護のための手立て)についてお話を伺いました。人は、様々な病気や老化により、様々な機能障害がおこり、生活上の様々な楽しみや役割が失われますが、この変化の中で毎日の活動を継続できるように、様々な工夫や努力を重ねることを作業療法と言います。
認知機能の低下により、社会生活や職業生活に支障を来す直前の状態を軽度認知障害(MCI)と言いますが、このMCIの段階で認知機能の低下を緩やかにすることにより社会生活や職業生活を継続出来るようにすることが大切であり、ここで注目されているのが、脳のを刺激して認知機能を維持させる認知フィットネスです。この認知フィットネスを日常の中で楽しく充実しながら継続して行くためには、作業療法の考え方が有効です。
具体的には、意欲的に楽しく行える生活行為や生活習慣は何かを丁寧に整理し、本人の能力を活かしての日常生活を組み立てることであります。ここで好きな事が、出来なくなった時に、上手くいく出来る環境をいかに組み立て、繰り返しの中で出来る喜びを創造出来るか、ここが作業療法の腕の見せ所であり、失敗を繰り返すことを注意するのではなく、成功体験をいかに積み重ねるかが重要とのことでした。
最後に、自分の認知機能を維持する上で、沢山の趣味を持ち、体の状態や環境に応じて出来ることや、やり続けられることを一つでも多く持っていることが、重要になると感じました。今からでも様々なことに挑戦して趣味や習慣を増やして行きたいと思います。