・平成29年02月22日予算委員会第六分科会第1号
○野中主査 次に、輿水恵一君。
○輿水分科員 おはようございます。公明党の輿水恵一でございます。
本日は、質問の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。
時間も限られてございますので、早速でございますが、質問に入らせていただきます。
初めに、麻づくりについて質問をさせていただきます。
古来より、麻は日本人の生活や文化を支える天然素材として全国で栽培され、利用をされてまいりました。その後、化学繊維との競合等により減少の一途をたどり、かつて約一万ヘクタール以上栽培されていた麻は、現在はわずか五ヘクタール程度、麻の栽培者は全国で約三十名前後、このように伺っております。
現在、国産の麻は、栃木県が最大の栽培地で、精麻用の麻に限って言えば、その七〇%以上が栃木県産となっております。その栃木でさえ、夏場の収穫作業の大変さ、あるいは精麻加工の手間や高い技術がそれに必要だということで、担い手の確保が難しく、深刻な高齢化が進んでいる。現在、その麻づくりはわずか十三名ほどと聞いているわけでございます。
そこでお伺いをいたします。栃木県における麻づくり、まさに日本の伝統産業として大変重要と考えるわけでございますが、農林水産省としてのお考えをお聞かせ願えますでしょうか。
○枝元政府参考人 お答え申し上げます。
我が国におけます麻づくり、すなわち大麻の栽培でございますけれども、主に栃木県におきまして、しめ縄等の伝統工芸用品として生産をされておりまして、今先生から御指摘があったとおり、同県での栽培面積は、全国の栽培面積七・六ヘクタールの約七割を占めているところでございます。
大麻につきましては、大麻取締法によりまして、その所持、栽培等に都道府県知事の免許が必要でございまして、終戦直後は荷づくりの縄ですとかロープ等に使用されておりましたが、現在は、主にしめ縄ですとか神事用等の伝統文化の継承を目的とした栽培に免許が交付されているというふうに承知をしてございます。
昨今、他県におきまして大麻をめぐる社会的な問題もさまざま報道されてございますけれども、大麻、特に栃木県におきます大麻は、伝統文化継承の観点、また中山間地域における複合経営の一部門としても非常に重要な役割を果たしているというふうに認識しているところでございます。
○輿水分科員 どうもありがとうございます。
そういった、栃木にとっては大事な産業でございますが、この麻づくり、麻栽培につきましては、後継者の育成のための研修や栽培支援の補助者についてさまざまな制限がある。また、生産者は、それだけではなく管理等も含めてさまざまな制限があるわけでございますが、現場において、いろいろなやりとりの中で、難しい問題があります。そういった中で、生産者に対して丁寧な対応、しっかりこの麻づくりを支えていくことも必要かと思いますけれども、その点についての見解をお伺い申し上げます。
○枝元政府参考人 お答え申し上げます。
大麻につきましては、その性格上、免許を受けた者以外の栽培、所持、譲り受け、譲り渡し等が禁止をされてございまして、このため、今御指摘ございましたとおり、盗難防止等の管理が必要でございます。都道府県の指導監督のもとに適正な栽培管理を徹底することが重要でございますので、生産者に対しましても、一般の作物以上に慎重な対応が求められているということは承知をしているところでございます。
農林省といたしましても、こうした大麻栽培におけますリスク、また留意点も踏まえながら、今後とも、伝統文化の継承を目的とした栽培が継続されるように、都道府県とも連携をし、現場の声もよく聞いて丁寧に対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○輿水分科員 どうもありがとうございます。
本当に、栃木県の麻づくり、ぜひしっかり守っていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、続きまして、グローバルGAPの認証についてお伺いいたします。
今、グローバルGAP、いわゆる農産物の農業生産工程管理ということなんですけれども、これはまだまだ、なかなか現場に浸透していなくて、聞くところによると、四百程度のそういった営農者がそれを取得しているということなんですけれども、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会に向けて、食材の調達基準が示されつつあるわけでございますね。そして、オリンピックに来た方たちが安心してその食材を食べることができる、そういった意味では、このグローバルGAP等の基準に適合した国産農作物がしっかりと供給できる体制を整備しておく、このことが必要だと思っております。
こういった農業生産の工程管理の整備の必要性、また今後の取り組みにつきまして、お伺いを申し上げます。
○枝元政府参考人 お答え申し上げます。
オリパラの東京大会に向けまして、今御指摘ございましたとおり、品目ごとに、大会に必要な調達基準を満たす国産の農産物を十分に供給できる体制を整備することが非常に重要だというふうに考えてございます。
今後、組織委員会の方で、調達基準に基づきました国産食材の活用などを含む飲食提供基本戦略を策定するというふうに聞いてございますけれども、農林省といたしましては、生産者によりますグローバルGAPですとかJGAPアドバンス等国際水準GAPの認証取得の支援、また、都道府県、JAグループ、日本農業法人協会等の関係団体に対するGAPの取り組み拡大の要請、GAPにまとまって取り組む産地への、例えば強い農業づくり交付金等の優先採択など、さまざまな取り組みを今始めているところでございます。
これらの取り組みを通じまして、十分な量の国産農産物を供給できる体制を整備いたしまして、オリパラ東京大会において、日本食、国産食材の魅力をアピールできるようにしてまいりたいと考えてございます。
○輿水分科員 どうもありがとうございます。
まさに、オリンピック・パラリンピック、これを一つ目指しながら、先ほどの国際水準規格であるグローバルGAPあるいはJGAPアドバンス、そういったものをしっかりと各農家さんが取り入れながら進めて、それをまた支援していくということで伺いました。
そこで、今回、オリンピック・パラリンピック大会、これのレガシーとして、せっかくこういった工程管理をしていく日本の農作物、安全、安心な体制で生産がされている、そういった内容も踏まえて輸出拡大につなげていくこと、攻めの農業をしっかりと進めていくことが大変重要であると私は考えるわけでございます。
そのために、グローバルGAPやJGAPアドバンス等をそれぞれどのように推進していくのかにつきまして、お伺いを申し上げます。
○枝元政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘いただきましたとおり、オリパラは一つの契機であり、またそのレガシーという意味で、国際水準のGAPを進めていくというのは非常に重要だと思っております。
農産物の輸出拡大、また農業人材の育成など、我が国の農業競争力の強化を図る観点からも、国際的に通用するGAP認証の取得の推進を進めていきたいというふうに考えてございます。
このため、まず、JGAPアドバンスにつきましては、これは日本発のGAPということで、GFSIの承認に向けた取り組みを支援しているところでございます。また、グローバルGAPにつきましては、その取得を求める取引相手への輸出を目指す農業者が認証を取得しやすくなるように、技術マニュアルの作成等を今支援しているところでございます。
両者とも、生産者に対して、グローバルGAP、またJGAPの技術的な指導を行う専門家の育成、また認証を取得する場合の費用の支援など、施策を総合的に講じることとしているところでございます。
こうした取り組みを通じまして、平成三十一年、農林水産物、食品の輸出額一兆円という政府全体の目標の確実な達成を目指すとともに、農業人材の育成を通じました我が国農業の競争力の強化につなげてまいりたいというふうに考えてございます。
○輿水分科員 どうもありがとうございます。
グローバルGAPあるいはJGAPアドバンス、その中身によっては、輸出する国とか地域によってどっちの方がいいか、そういったこともございまして、丁寧な対応をお願いできればと思いますので、よろしくお願いいたします。
さて、このグローバルGAPあるいはJGAPアドバンス、これを取得するということは大変労力というか、大変なそういった思いの中で工程管理がなされるわけでございますけれども、そういった生産者が苦労してこういったGAPの認証を取得したものについて、やはり、せっかくそういった苦労が報われるという形をとる意味でも、販売の拡大などにつなげる必要もある。また、それが、こういった取得に向けてのインセンティブにもなるというふうに思うわけでございますが、そのためには流通や小売にも働きかけていくことが重要と考えますけれども、農水省のお考えを伺います。
○枝元政府参考人 お答え申し上げます。
国際的に通用するGAPの認証取得を拡大し、またさらに、認証を取得した生産者の販売の拡大につなげていくためには、御指摘もございましたとおり、流通や小売、また消費者の方々に、生産歴がわかることから信頼性の向上につながるんだというこのGAP認証の意義、またメリットを御理解いただきまして、GAP認証を得ている農産物が高く評価されるようにしていくということが重要だというふうに考えてございます。
このためには、まず、GAPの知名度を上げていくことが重要だというふうに考えてございまして、今後、消費者と直接接しております小売関係者、また産地と小売をつないでいる流通関係者等に対しまして、GAP認証の意義、またメリット等々を丁寧に説明してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○輿水分科員 ありがとうございます。
さて、その攻めの農業、さらにさらに日本の農業を国際的なそういった優位な立場に立たせるためにも、高品質な日本の農作物や加工品の輸出拡大に向けては、ただいまの生産工程管理のみならず、JAS規格により品質も保証し、高付加価値な農産物等の生産を進めることも大変重要であると考えるわけでございますけれども、この点についての考えもお聞かせ願えますでしょうか。
○井上政府参考人 委員御指摘のとおり、日本の農産物やこれらの加工品の輸出拡大に向けましては、その品質の高さなどの特色を効果的にアピールしていくことが重要と考えておりまして、この点で、JAS規格は、品質の高さを保証して、海外の取引先や消費者の方々にも説明や訴求を容易にするものと考えてございます。
こうした点から、昨年十一月に策定をされました農業競争力強化プログラムに従いまして、現在、JAS規格は、その対象が物についての規格だけが定められるような仕組みになっているわけでございますけれども、これを拡大いたしまして、産品の生産の方法でありますとか、あるいは鮮度管理等の保管の方法であるとか輸送の方法でありますとかこうした取り扱い方法についての規格も定められるように、その対象を拡大してまいりたいと考えてございます。
こうしたJAS規格の戦略的な活用を通じまして、日本の農産物あるいはこれらの加工品の輸出拡大にもつなげてまいりたいと考えております。
○輿水分科員 どうもありがとうございます。
まさに、生産工程の管理、グローバルGAPあるいはJGAPアドバンスと同時に、JAS規格ということで、日本の農産品、さらに輸出拡大、そして大きな日本の経済の底上げにつながるように、よろしくお願いを申し上げます。
それでは、次に移らせていただきます。
薬用作物の栽培づくりについてお伺い申し上げます。
最近、どちらかというと中山間地の農業というのが鳥獣被害に遭って本当に大変だ。現場に行ってみますと、作物を守るために相当頑丈な柵をつくって、そして守っている。しかし、その柵をつくっても、それを乗り越えたり、そこの下を潜ったりして、なかなかその被害を防ぐことも難しい状況の中で、中山間地でのそういった鳥獣被害を受けている農作物、農地というのはなかなか使いにくくなっている。
そんな中で、新たな取り組みをしている地域がございました。そこでは、薬用作物、そういったものをつくることによって、柵をつくらなくても作物が守られて、そして安定的な生産ができるということで、そんな取り組みをする地域もあったんです。
ここでまず伺いますけれども、まさに、このような薬用作物について、中山間地域で栽培される重要なものである、このように私は思うわけでございますけれども、こういった取り組みにつきまして、農林水産省の支援策はどのようなものがあるのか、お聞かせ願えますでしょうか。
○枝元政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘ございましたとおり、薬用作物、近年需要が伸びております漢方薬の原料でございます。現在は、その八割以上を中国からの輸入に依存をしているという状況でございまして、漢方薬のメーカーからは原料の安定供給の面から、また、中山間地域においては需要の拡大が見込まれる作物として、国内生産の拡大が期待されているというふうに承知をしてございます。
この薬用作物の生産拡大を図るためには、一つは、実需者が求める一定の品質を確保するための栽培技術の確立が非常に重要でございますとともに、生産者と実需者が円滑に栽培契約を締結できるようにすることが必要だというふうに考えてございます。
こういうことから、農林省といたしましては、まず、安定生産に資する栽培技術確立のための実証圃場の設置、また、栽培マニュアルの作成、栽培技術の指導、あと、実需者との契約に向けた事前相談ですとかマッチング窓口の設置を支援するための事業を現在実施しているところでございます。さらに、二十九年度の予算案におきましては、さらなる生産拡大を図るために、優良種苗の安定供給に資する産地体制を確立するための支援も盛り込んでいるところでございまして、これらを通じて、薬用作物が中山間地域でさらに拡大していくように努力してまいりたいと存じております。
○輿水分科員 どうもありがとうございます。
薬用作物というか、そういったもの、切りかえということが大事なんですけれども、やはり、切りかえたとしても、薬用作物なので、普通にすぐ売れるとか買うとか、そういうことがなかなかつながらない、そういった問題もあるわけでございまして、入り口をつくった後、ちゃんと出口、どういうふうにつなげながらそれが一つのしっかりとした産業として回っていくのか、こういった取り組みが非常に重要であるのかなというふうに感じているわけでございます。
私も、先日、栃木のある中山間地に行ってまいりまして、まさに薬用というか、そこでは甘茶をつくっていました。この甘茶というのが、カロリーゼロで、ちゃんと焙煎した後、お湯を入れて飲みますと非常に甘くて驚いたんですけれども、この糖分ゼロで甘いという、こういったものというのは何かに利用できる。また、そこは非常に過疎に近い、そういった状況だったんですけれども、あいている農地に甘茶の苗を植えて畑にして、そこで、地域で暮らす高齢者の方がその栽培をしながらお小遣い稼ぎという形でやっている、そういった状況でございまして、普通だったら放棄されてしまうような土地が有効に活用されている。そして、その甘茶という糖分ゼロの甘味料というか、甘みを持ったものがある。そこまではすばらしい。それを飲むと非常に体も温まるということで、さまざまないいことが体にあるような、そういったことがあると思います。
そういったもの、成分をきちんと分析したり、あるいは甘茶を低カロリーの甘味料として砂糖のかわりに使うことができれば、新しい、健康を管理、維持するための食品等の開発にもつながるのではないか、そういうふうにつながることによって、中山間地の新しい産業として大きく発展する可能性がある、私は、そこにすごい可能性を見出してまいりました。
そういった中で、この中山間地域で栽培されている甘茶について、特徴のある機能性を生かして新たな需要を開拓することがまさにできる、またやらなければいけない、このように思っているわけでございますけれども、農林水産省の支援策についてお伺いを申し上げます。
○枝元政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘いただきました甘茶など中山間地域で栽培されております地域特産作物につきましては、それらが有する機能性等も活用して新規の需要を開拓して、地域を支えていく作物として育てていくことが重要だというふうに考えてございます。
このような新規需要の開拓を推進するために、平成二十八年度の補正予算におきまして、産地と外食産業等の連携によります新商品の開発、試作、そのために必要な機械等の開発、改良、また販路の開拓等について支援を行っているところでございます。
また、新たな需要を開拓いたしまして、継続的に対応していくためには、産地におきまして安定的な生産体制を整備する必要がございますので、二十九年度の予算案におきましては、栽培技術の普及のための展示圃の設置ですとか、先ほど先生から御指摘ございました機能性成分の分析等の取り組み、これらの支援も予算の方に盛り込んでいるところでございまして、これらを使いまして中山間地域の発展につなげてまいりたいというふうに考えてございます。
○輿水分科員 どうもありがとうございます。
展示圃あるいは機能性のそういった分析等もしっかりやっていただきながら、新しいこういった薬用植物等も含めた、そういった中山間地域での農作物というか、新しい活用の仕方というものをしっかりと進めていただいて、地域の新たな産業に育てていただければ、また、育てていきたい、このように思っているわけでございます。
さて、このような中で、今、日本は耕作放棄地が急激にふえている。非常に、ちゃんと今まで耕作をしていたすばらしい農地が放棄されている、そういった状況。さらに、それが数年たちますと、なかなか農業をまた再開するのが難しい、そういった状況にもなるわけでございます。
地域における高齢化や後継者不足が進む中で、農業を中心とした地方創生、やはり地方創生、また日本の未来にとってやはり農業というものをどう地域にしっかり根づかせながら、そして、農業というのは、ただ単に作物だけではなくて、多面的な価値というか機能も当然あるわけでございまして、そういったものをしっかりと守っていく、また、そういったものを再生していく、こういったことが重要ではないかと思うわけでございます。
耕作放棄地の先の荒廃農地、そういった発生、まずは、その問題に対して、農地の再生利用というものもしっかり考えていくことが必要ではないか。
そういった意味で伺いますけれども、農村地域の高齢化、後継者不足が進む中で、農地の荒廃化に対して、荒廃農地の発生防止と再生利用のための総合的な対策が必要と考えるわけでございますけれども、農水省の取り組みについてお聞かせ願えますでしょうか。
○細田大臣政務官 まず、輿水先生におかれましては、日ごろから農林水産行政についてさまざまな御提言をいただいていることに、改めて心から御礼を申します。本当にありがとうございます。
今まさに先生御指摘ありましたとおり、限られた資源である農地を有効活用し、農業を中心として地方創生を進めていく上で、荒廃農地の発生を防止し、また荒廃した農地の再生利用を図るということは極めて重要であるというふうに私ども考えております。
このため、まず、荒廃農地の発生の防止に向けましては、農地を担い手に円滑に集積していくということが必要でありますので、各都道府県に農地中間管理機構を整備し、担い手への農地の集積、集約化を推進しているというところでございます。
また、先生御存じのとおり、水田を初めとする農地にはさまざまな多面的な機能がございますので、これを維持管理、保全するという活動を支援するために、多面的機能支払交付金及び中山間地域等直接支払交付金といった予算上の措置も導入をしているというところでございます。
さらに、御指摘ありました、一旦荒廃した農地をまた再生利用するという取り組みも重要でございます。このため、荒廃農地を引き受けて作物生産を再開する農業者の方々が行う再生作業等の取り組みを支援する荒廃農地等利活用促進交付金という措置を、平成二十九年度の予算に計上させていただいておりました。また、農地の再生利用にも資する農地耕作条件改善事業あるいは農地環境整備事業等を予算上の措置として盛り込ませていただいているところでございます。
引き続き、これらの措置を通じて、地域の実情に応じて、荒廃農地の発生防止と、また荒廃農地の再生支援を私どもとしてきちんと推進をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○輿水分科員 どうもありがとうございました。
本当に、荒廃農地の再生あるいは先ほどの耕作放棄地、日本は、人口が減少して高齢化が進むという中で農地をどのように守っていくのか。あるいは、人口が減少するということは、食物を消費する方が減ってくる、そういった中では、先ほどのように、農地の活用のあり方というものを、食物でいく、あるいは、より付加価値の高い、そういった薬用の作物の栽培をしていく、そういった切りかえの考え方。あるいは、切りかえではなくて、先ほどのグローバルGAP、JGAPアドバンスあるいはJAS規格ということで、日本の攻めの農業、より付加価値の高い農業を日本にしっかりと定着をさせて、そして、いよいよ海外に大きく展開をしていく、そういったさまざまな考え方、構想があるわけでございます。
まさに今私も懸念しているのは、昔から耕作放棄地は大変だということで、大変だ大変だと言いつつ年々ふえていく。これは、このままほっておいても、ある程度先が予測されて、なかなか農作物を普通につくるのは難しい地域。しかし、今言ったような、薬用作物というのは逆にそういった厳しいところで育てるとより機能的なものを兼ね備えたいいものができる、そういったところではそれをどう推進していくのか、そして、どう切りかえていくのか。また、いい地域では、先ほど言った効率的な農業を推進しながら、工程管理、品質管理を進めながら、攻めの農業をどう展開していくのか。そういった中長期的な展望に立って、日本の中山間地域のそういった農地の利活用のあり方。
あるいは、場合によっては、この農地というのを、ちょっとどう考えても使えないものがあるのかもしれない。そういったきちっとしたすみ分けをしながら、ここはきちっと守る、ここは違う、多面的な機能として残していく、ここは超高品質なそういったものをつくる、ここは国内のそういった消費者用のためにきちっと、そして総合的に、日本の農業というものの、生産の側とまた消費側とバランスをとっていく、国内消費と海外輸出のバランスをとっていく、そういうことをしっかり考えていくことが、根本的に日本の農地を守り、また耕作放棄地の発生を防止し、また先ほどの荒廃農地の再生にしっかりと計画的に進められるものと考えるわけでございます。
いよいよ、日本の農業を守るグランドデザイン、そういったものをぜひ農水省で描いていただいて、日本の農業に希望が持てる、また、日本の農業がさらに大きく発展する、そのような道筋をつけていただければな、そんな思いでいるわけでございますけれども、その点につきまして、感想とまた決意とを伺えればと思います。よろしくお願いいたします。
○細田大臣政務官 ありがとうございます。
先生から非常に前向きで力強いお話をいただいた、こういうふうに考えております。
日本の農業、一般的にはコスト高という問題がございますけれども、先生今お話しになったとおり、非常に高品質で安全、安心なものを生産しているということで、国際競争力も非常に強いと思いますし、また、その意味で非常に可能性が大きいというふうに私どもは考えております。
まさに先生今御指摘あったように、国際的な認証の取得促進等を推進しながら、やはり海外市場にそういう日本製の高品質なものをどんどん売り込んでいくという取り組み等々によりまして日本農業を前向きに拡大していく、こういうことに政府一丸となって取り組んでいるところでございますし、また、そういう取り組みも引き続き進めてまいりたいというふうに考えております。
他方で、私の選挙区もいわゆる新潟の山村部分を含むわけなんですが、やはりそういう地域は人口減少あるいは高齢化という影響を最も強く受けておりまして、非常に厳しい状況にあるというのが一般的ではないかと思っております。それらの地域の主要な産業がやはり農業であるということから、農業の活性化を中心として、また地域の活性化を図ってまいりたいと思っておりますし、また、その際には、例えば今般の通常国会で農村地域工業等導入促進法を改正して、その対象を産業全体に広げるというような法案の提出を予定しておりますけれども、また、そういうことも含めて、農業政策だけでなく、地域政策という観点から総合的に農山漁村あるいは地域を活性化する、こういう取り組みにも省を挙げて取り組んでまいりたい、こういうふうに考えております。
○輿水分科員 どうもありがとうございました。
以上で質問を終わります。