・国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等及び外国公館等の周辺地域の上空における小型無人機の飛行の禁止に関する法律案(古屋圭司君外五名提出、衆法第二四号)
○井上委員長 次に、輿水恵一君。
○輿水委員 おはようございます。公明党の輿水恵一でございます。
本日は、質問の機会を与えていただきまして、感謝を申し上げます。
それでは、早速でございますが、ただいま議案となっております法律案につきまして質問をさせていただきます。
この小型無人機、いわゆるドローンは、ラジコンショップなどで誰でも入手でき、免許も要らずに操縦できるものであり、航空法上は空港等の近くでなければ二百五十メートルまで飛行制限はなく飛ばすことができる。このドローン、基本的にはコントローラー等で操作、操縦できるものでございますが、GPSなどを搭載していれば、位置情報を使いながら自分でその設定されたところまで飛んでいける、そのような装置でもあります。
そして、本年の四月二十二日、総理大臣官邸屋上に小型無人機、ドローンが落下した事件を受け、その対策の必要性が浮き彫りになりました。
そこで、まず確認の意味で、今回の小型無人機の飛行禁止に関する法律案の提出の背景と概要について、提出者に伺いたいと思います。
○濱村議員 お答えいたします。
本法案は、本年四月二十二日の、総理官邸の屋上に小型無人機が落下し放置されていたことが発覚するという事案が発生したことを受けて、国家の危機管理等の観点から、今後類似の事案が発生することのないよう緊急の立法措置を講ずるため、立案が進められたものでございます。
本法案では、まず、国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等といった対象施設及びその周囲おおむね三百メートルの区域における小型無人機の飛行を禁止することとしております。その上で、これに違反して小型無人機の飛行をさせた場合には、警察官等による退去等の命令や即時強制の対象とするとともに、対象施設及びその敷地の上空の飛行並びに退去等の命令違反について刑事罰を設けております。
なお、本法案で定めた措置は、官邸の事案を端緒として、対象を限定した上で緊急に定めたものでありますので、検討条項において定めたとなっており、ドローンについてのより包括的な施策を今後政府において検討し、必要な措置を講じていただくということにしております。
以上です。
○輿水委員 どうもありがとうございます。
そして、今回のこの法律案に加え、国土交通省より、小型無人機、ドローン規制を盛り込んだ航空法改正も進められております。人口密集地や空港周辺また原子力施設の上空等について、国交省の許可がなければ飛行が禁じられることになり、これらの法案により当面の対策がなされるものと理解をしているところでございます。
このドローン、世界じゅうにおける関連支出は、ある推計によりますと、向こう十年間で最大百億ドル近くに上る可能性がある、そう言われております。日本でもドローンが成長産業として国内企業の注目を集め出しており、適切な規制や法整備が必要となっております。
先ほども御答弁にありました、当該法案の附則の中に、国は、速やかに、小型無人機の安全な飛行の確保のあり方について、小型無人機の多様な分野における利用の促進のための施策も踏まえ、かつ、小型無人機に関する技術の進歩を勘案しつつ、検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするとあります。
そこで、まず、航空法上の措置として、今後の小型無人機の安全な運航のための規則等のあり方、並びに、規制の対象となる機体の性能や規格についてどのように考えているのか、政府参考人に伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
○島村政府参考人 お答えいたします。
小型無人機が急速に普及し、また、今後さまざまな分野での利活用が期待される中、現に落下事案が発生するなど、安全上の懸念が指摘されているところであり、その運航方法に関する規則の導入が喫緊の課題となっているところでございます。
そのため、国土交通省では、まず、小型無人機の落下等による地上の人または物件への影響を防止する観点から、諸外国の規制のあり方等も踏まえ、緊急的な措置として、基本的な飛行ルールを早急に定めるべく、現在必要な航空法の改正法案の取りまとめを進めておるところでございます。
この際、規制等の対象となる小型無人機について、墜落等における地上の人または物件への影響等も考慮し、玩具のような軽量なものまで一律に規制するのではなく、技術的合理性のある範囲となるよう検討してまいります。
また、基本的な飛行ルールを早急に定めた後、既に小型無人機を活用している関係者等と十分調整を図った上で、機体の機能、操縦者の技量など、また、小型無人機を使用した事業について、小型無人機の利用促進と安全確保を両立させるための制度を引き続き検討し、必要な措置を講じてまいります。
○輿水委員 どうもありがとうございました。
本当に、まず、ドローンによってそういった危険な行為が行われないようなそういった規制とともに、先ほどもお話がありましたが、今、農業の分野でももう既に活躍している、そういった機械でもございますし、今後は、橋梁などの設備の保守点検や工程管理、またまさに災害発生時の被害状況の調査等、さまざまな形で活用が期待されるところでございます。このような多様な分野における利用の促進のため、安全にそして事故がないように、そういった適切なルールの設定をお願いしたいと思います。
次に、いわゆるドローンの操作に係る電波法上の規制について、一般的なドローンにおいてどのような電波で操作が行われ、どのような規制があるのか、政府参考人にお尋ね申し上げます。
○富永政府参考人 お答え申し上げます。
小型無人機の操作等に係る電波利用につきましては、現在、電波法において特別な規制はなく、一般的な無線設備として電波法の規律が適用されております。
電波法では、電波を発射する場合は、電波の公平かつ能率的な利用を確保する観点から、原則、無線局免許を取得することを必要としておりまして、無線局免許状に記載された周波数、空中線電力の範囲内で運用しなければならないことになっております。
ただし、電波の出力が著しく微弱な無線設備や、総務省令で定める周波数や空中線電力等に合致しており、他の無線局へ混信を与えずに運用でき、かつ技術基準適合証明等を受けた無線設備につきましては、無線局の免許を不要としております。
なお、現在市販されております小型無人機の多くでは、その無線操縦や画像伝送に無線局免許を要しないWiFi機器や、これと同様の無線設備が使用されております。
以上でございます。
○輿水委員 ありがとうございました。
ということは、今使われているドローンは、大半がWiFiの、そういった規制のない電波で操縦をされているということでございます。
では、ここで、ちなみにこのWiFiについて、送信出力はどの程度なのか、具体的にはどの程度までの距離の伝送ができるのか。また、受信状態の強弱におけるドローンの操作の概要等について、わかる範囲で結構ですが、お聞かせ願えますでしょうか。
○富永政府参考人 お答え申し上げます。
現在市販されております小型無人機の多くで使用されておりますWiFi機器ですとか、これと同様の無線設備の送信出力ですが、一メガヘルツ当たり十ミリワット以下と定められております。
無線の通信距離につきましては、周囲の環境、受信設備の性能などにより左右されるため、一概に言うことは難しゅうございますが、見通しのきく電波の到達条件のよい環境で性能がよい受信設備を使用した場合に、無線操縦で三キロメートル程度、画像伝送で三百メートル程度と考えられます。
操縦用の電波の受信状態が悪くなり通信ができなくなった場合の小型無線機の挙動でございますけれども、その機能次第でございますが、例えば、GPSを活用し、あらかじめ設定された帰還場所に自動で帰還するですとか、ホバリングと申しまして、その場にとどまるとかであると聞いております。
以上でございます。
○輿水委員 どうもありがとうございました。
そして、このドローン、まさに上空でさまざまな画像を撮影する、そういった機能を持たせることができるわけでございますが、撮影された映像等についてのプライバシーへの配慮、これはもう非常に重要な問題であると思います。
そこで、ドローンで撮影された映像情報のインターネット上等での取り扱いについて、現状の取り組みについてお聞かせ願えますでしょうか。
○吉田政府参考人 お答えいたします。
小型の無人機、いわゆるドローンで撮影した映像等をインターネット上に公開する場合に、特に被撮影者の同意なくそういう映像が撮られているような場合につきましては、プライバシー侵害等の問題を惹起する可能性がございます。
総務省では、そういうプライバシー侵害等とならないための目安を示すという意味で、このたび、「「ドローン」による撮影映像等のインターネット上での取扱いに係るガイドライン」の案というものを取りまとめまして、現在意見募集中でございます。
その中では、住宅地近辺での撮影においては一定の撮影方法への配慮をすること、あるいは、人の顔やナンバープレートなどが映り込みのあった場合には、その削除ないしはぼかしを入れるなどの配慮をするのが望ましいといったような内容を盛り込んでおります。
私どもといたしましては、この意見募集中の意見なども踏まえまして、最終的にガイドラインとして確定をし、公表をしてまいりたいというふうに考えております。
○輿水委員 どうもありがとうございました。
最後の質問をさせていただきますが、やはりドローン、今後は高速で移動したり長距離を移動して、先ほどの災害、事故などの発生時の被害状況の調査、あるいは軽貨物の輸送、また海上の監視、先ほどの火山活動の観測など、その活用も大いに期待をされているところであると思います。
そういった中で、先ほどの、微弱な電波ではなかなか活用が難しい、そういった現状の中で、今後、ドローンの長距離伝送等における高出力電波の利活用について、現在どのような検討がなされているのか、お聞かせ願えますでしょうか。
○富永政府参考人 お答え申し上げます。
小型無人機につきましては、災害時の被害状況の把握、道路インフラの管理などでの利活用が期待されておりまして、高画質で長距離の画像伝送など、電波利用の高度化、多様化のニーズが高まってきております。
総務省では、小型無人機を含むロボットに対するこのような新たなニーズに応えるため、電波利用の環境整備に取り組んでいくことといたしまして、本年三月十二日に情報通信審議会に諮問をいたしました。
情報通信審議会では、ロボットのさまざまなニーズを踏まえ、無線機器の低コスト化を勘案しながら、使用する周波数、電波の出力などについての技術的な議論を進めております。具体的には、災害用、産業用などの用途に応じた通信距離や画像品質などの要求条件、使用周波数や空中線電力などの技術的条件、既存の無線システムとの周波数共用条件についての検討を行っております。
総務省といたしましては、情報通信審議会で審議が完了した部分から順次制度整備を行うなど、ロボットのさまざまなニーズに速やかに応えられるよう取り組んでいきたいと考えております。
以上でございます。
○輿水委員 どうもありがとうございました。
これからそういった高性能なもの、そして、先ほど、どの程度のものを規制の対象にするか、そういったこともきちっと決めていただきながら、そして、確かに、ドローンに対して受け身の対策じゃなくて、まず水際というか、どういう人がどういう操作をする、それをどう許すのか、そういったところを適切に決めていただいて、こういったものが安全に、そして、適切に運航できる、活用できる、そういった社会を目指して頑張っていただきたいと思います。また、私もそういったものを目指して頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。