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第189回国会 内閣委員会 第10号


・男女共同参画社会の形成の促進に関する件

国民生活の安定及び向上に関する件


○亀岡委員長代理 次に、輿水恵一君。

 

○輿水委員 公明党の輿水恵一でございます。

 

 本日は、一般質疑のお時間、機会を与えていただきまして、心より感謝を申し上げます。

 

 私の方からは、ちょっと大きないろいろなテーマについて、この際、一つ一つ確認をさせていただきたい、そんな思いできょうは質問させていただきます。

 

 今、日本は、かつてない、今までにない人口減少社会を迎えている。また、世界でも類を見ない高齢化が進展する中で、いろいろな政策が岐路に立たされている。そこにどうやって適切に対応して持続可能な社会を構築していくのか、これが大きな大きな課題だと私は思います。

 

 特に、高齢化が進展する中で、日本の誇る社会保障制度は給付総額がどんどん膨れ上がっていく。一方で、それを支える財源、そのサービスをどう維持していくのか、そういった課題もある。

 

 また、人口減少する中で、最近、景気も回復している、労働力の需要はあるけれども、生産労働力人口も減少していく、こういった社会の中にあって、どのような形でこの日本の活力を維持していくのか、そういった課題もあるのかなと。

 

 最近では、生涯現役、そんな言葉もあるんですけれども、一人一人、そういった本人の意思を尊重しながら、また意識をしっかりそういった点に持っていただきながら、さまざまな改革が必要であるのかなと感じております。

 

 政府として、これから制度を改正する、あるいはガイドラインを引く、それだけではなかなかうまくいかない。国民の皆様がしっかりとそういった現状を認識して、また現実を理解しながら、政府と国民一体となって、その改革、またこの危機を乗り越えていく、そういった取り組みがこれから特に必要ではないか。

 

 そういった観点でまず質問をさせていただきますが、内閣として、国民の理解と協力が必要と思われる重要な政策については戦略的な広報活動を積極的に展開するべき、このように考えますが、見解をお聞かせ願います。

 

○別府政府参考人 お答えいたします。

 

 今委員御指摘のありましたとおり、内閣の重要施策を効果的に推進するというためには、国民の皆様の御理解を得るということがまず何よりも必要不可欠だと考えております。その意味で、まさに重要施策を戦略的に広報活動を展開していくということは極めて重要でございますので、当然、関係省庁はもとよりでございますけれども、政策テーマに応じまして、政府一丸となって積極的にやるべきだと思っております。

 

○輿水委員 ありがとうございます。本当に、できるだけいろいろな情報を適切に、効果的な、戦略的な取り組みをお願いしたい、このように思うわけでございます。

 

 そこで、今、二〇二五年問題、いわゆる約八百万人の団塊の世代の方が七十五歳以上になられる、そのときの介護や医療の需要が相当高まってくる。それをどのような形でしっかりと受けとめていくのか。地域包括ケアシステムということも挙げられて、また、さまざまな制度改正、改革もプログラムに沿って進められているところだと思います。

 

 このような改革の中にあって、やはり制度とか枠組みをそうやろうとしても、地域の住民の皆さんの意識、例えば病院完結型から自己完結型の医療と言われるんですけれども、いわゆる治す医療から、寄り添いながら、住みなれた地域で安心して家族とともに暮らしていく、そういったものを目指すにしても、本人も家族もそういったことを意識しながら、生活のあり方を、将来をしっかり見据えて準備していく必要もあるのかなと。突然言われても、なかなかそれができない。そういった意味では、しっかりとした広報活動が必要なのかと。

 

 そういった意味で、二〇二五年に向けて社会保障制度改革を確実に進めていくためには、その制度を支える財源の確保や個々のサービスの適正化などにおける現状の課題を、それぞれの地域住民や自治体とちゃんと問題意識を共有しながら、そして、制度のあり方、改革の内容について理解を得て、適切に進めていく、そういった一体となった取り組みが必要だと思います。

 

 そのためにも、先ほど内閣でも確認させていただいたように、厚生労働省としても適切な広報活動というものが必要だと思うんですけれども、その点についての見解、考えをお聞かせ願えますでしょうか。

 

○今別府政府参考人 お答えいたします。

 

 先生御指摘のように、社会保障制度改革を進めるに当たって、まさに、地域の自治体なりあるいは住民と一体となった広報活動、啓発活動というのは非常に重要だと思います。

 

 今、内閣府の方から答弁をいただいたように、政府としての広報活動はもちろんでありますが、それに加えまして、私ども、やはり地域の自治体、あるいは私どもの地方の支分部局を通じてさまざまな広報活動をやっております。

 

 とりわけ厚生労働省といたしましては、社会保障制度の今の現状あるいは改革の意義、そういうものを理解していただくということで、次世代にきちんと引き継ぐという観点から社会保障教育というのを非常に重視しておりまして、去年の七月にまとまりました研究会の報告に基づきまして、全国の高校全てに教材を配って、教育委員会あるいは先生方の研究会まで出向いていって、実際の社会保障教育の実が上がるようにという努力も続けております。

 

 引き続き、いろいろな活動を通じまして、できることは全てやるということで努力をしてまいりたいと考えております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございます。

 

 二〇二五年問題と言われても、二〇二五年というのはあっという間に来てしまいます。制度改革だけでも大変な中で、それと並行して、地域の皆さんの意識、協力、そういったものをしっかりと得られるような環境整備。

 

 特に、私も現場で、今、地域包括ケアシステムという形でいろいろな取り組みをさせていただいているんですけれども、まだまだ、どういったイメージで、自分たちがどうやってこの地域で住まいを持って、そして医療と介護、いろいろなサービスが受けられて安心して住み続けられるのか、なかなかイメージが固まってこない。

 

 そのイメージをどうやって現場と私たちが共有していくか。そして、そのイメージができないと、二〇二五年、なかなかその難しい問題を解決できない、混乱を来す可能性があるということで、お互いにそのイメージを共有しながら、目指すものを一つにして、何とかこういった少子高齢化、そして超高齢化社会の新しい日本のあり方、そういったものを追求しながら、情報も共有しながら取り組んでいきたい、また皆様とともに協力していきたい、このように思っていますので、よろしくお願いをいたします。

 

 では、次の質問に移らせていただきます。

 

 きょうは有村大臣にもいらしていただきまして、男女共同参画社会における労働者のワーク・ライフ・バランスについて質問をさせていただきます。

 

 今のさまざまな社会情勢の変化に対して、男女共同参画社会を前提とした今後の労働のあり方、これも丁寧に分析をしていくことが必要かなと。人口が減少していく中での企業の生産性の維持や向上、そういったものを考えると、やはり働き手に負担がかかるというか、労働時間といった問題もいろいろ課題が出てくるのかもしれない。

 

 また同時に、さまざまな中で、労働者の所得もしっかり向上させていくということが生活を支える基盤にもなってくる。将来の日本での働き方、また生活の仕方、あるべき姿をどう具体的にイメージしていくか、検討していくのか、これも今大事かな、このように感じるわけでございます。

 

 人口が増加して経済が成長する時代から、人口が減少して経済が成熟してきている、またグローバル化による競争の激化、こういった中、また技術革新も、私も昔、技術畑で仕事をしていたんですけれども、三年に一回、新製品というか新しいものを開発すればよかったものが、会社にいるうちに、だんだん、二年に一つは新製品、一年に一つ、半年に一つ、そういうふうに競争が激化して、またその製品のライフサイクルも短くなってくる。そうすると、その一つ一つの負担も大きくなってくる。そういった状況がさまざま変化してくるわけでございます。

 

 こういった中で、現在、ワーク・ライフ・バランスの推進、日本人の画一的だと言われた、働き過ぎと言われた日本の働き方が見直され、仕事一辺倒のスタイルから、仕事とともに趣味や家族との時間を大切にし、可能な限り短時間で効率的に働く、そういったことを今目指してきていると思います。

 

 また、特に高齢化が進む中では、いよいよ介護という問題が各家庭に出てきたときに、長時間勤務やフルタイムの勤務が困難になる労働者もふえてくる。このような状況を踏まえて、今後、さまざまな問題をよく考えながら、働き方の見直しが不可欠なのかな、このように感じます。

 

 そこで、働き方の実態及び課題をしっかり掌握するとともに、長時間労働の抑制や多様な働き方の実現に向けたワーク・ライフ・バランスの取り組みをまさに一層進展させることが今求められていると思いますが、有村大臣の見解をお聞かせ願えますでしょうか。

 

○有村国務大臣 輿水委員にお答えいたします。

 

 委員御指摘の問題意識、全くもって共鳴、共感をいたします。

 

 これから本格的に人口減少が厳しくなってまいります。その中で、とりわけ減少幅が最も厳しいのは、高齢者層でも若年層でもなく、労働生産人口、その減り幅が、最も厳しい割合で減っていきます。この現状を鑑みますと、我が国が将来にわたっても活性化を続け、持続的に成長していくためには、御指摘のワーク・ライフ・バランスの実現というのが最も大きな課題の一つの柱だというふうに認識をしております。

 

 今まで子育てや介護などで時間制約があるという人が何人かいたという前提ではなくて、働き方に時間制約のある人がマジョリティー、大多数だという前提に立って、制度や仕組み、意識を変えていかなければならないというふうに思っております。その上で、多様な働き方や生き方が選択され、また尊重される社会になっていくという大きな変革を私たちができるかどうかが、日本の威信に直結するというふうに確信をいたしております。

 

 仕事と生活の調和憲章及び仕事と生活の調和推進のための行動指針に基づいて政労使が連携して取り組みを進め、その効果を検証した上で今後の課題等を提示する調査の重要性は共有をいたします。

 

 毎年、政府は、仕事と生活の調和レポートということを公表しておりますが、ことしも二月に仕事と生活の調和レポート二〇一四を出させていただきました。そのサブタイトルは、まさに「仕事は「時間」から「質」の社会へ」というふうになっております。

 

 人は評価される物差しによってその能力を伸ばすというふうに言われます。そういう意味では、人を評価する物差しが、時間の長さではなく、まさに仕事の効果によって評価される、そういう土壌や仕組みや社会の意識ということを、果敢に、関係省庁とも連携をしながら、取り組みを加速させていきたいと考えております。

 

○輿水委員 ありがとうございます。まさに私もそのとおりだと思います。

 

 そこで、具体的にワーク・ライフ・バランスを考えたときに、仕事をいかに効率的に、また圧縮した形で成果をしっかり出せる、そういった環境をつくるか。それがなければ、幾らワーク・ライフ・バランスを考えて、また会社でも思ったとしても、なかなか、やはり成果を出さない限りは会社も存続しない、また生活もできないという部分では、どうやってそこの圧縮した形で成果を追求していくのか、効率的な仕事のあり方というものを考えていくのか、これが大きな課題になるのかなと思うわけでございます。

 

 そこで、このワーク・ライフ・バランスの取り組みを進めていくためには、まさに仕事の質を高める、いわゆる生産性を向上させる、こういったことが重要であって、ここがなくしてライフの方になかなか時間を割けないと思うわけでございますけれども、この点についての有村大臣の見解をお聞かせ願えますか。

 

 また、それを何とかやるためには、何としても生産を向上させなければいけないと思うんですけれども、できましたら、そういったことに対しての決意もお聞かせ願えますでしょうか。

 

○有村国務大臣 お答えいたします。

 

 ワーク・ライフ・バランスを実現していくためには、それぞれの意識改革も重要でございますが、何よりも、組織のトップの継続したコミットメントが不可欠だと認識をしております。トップが継続して言い続けて、行動し続けて、励まし続けて、仕組みを不断に見直していただくということが肝要だと考えます。

 

 短時間で成果を出す働き方に変えていくことが重要だということを考えますと、特に私が委員と問題意識を共有した上で強調したいのは、単に生産性を上げるということ、ここは誰も反対されないわけですが、一般的に申し上げますと、日本は、現業、とりわけ生産現場での効率性やあるいは生産性は世界トップレベルだと指摘されます。その一方で、事務職、いわゆるホワイトカラーの生産性がOECDで比較しても極めて低いと指摘をされます。そういう意味では、事務職、ホワイトカラーの生産性を上げていく。

 

 とりわけ、この中では、単に効率をちまちまと上げるという段階ではありません。それを引き続きやりながらも、大胆に仕事を見直して、業務の削減を含めて、大幅に業務のあり方、進め方を変えていただく。そのためのトップとしての決断と裁量ということをできるようにしていきたいというふうに思っております。

 

 そして、これを進めることは、単に倫理的にいいというだけではなくて、企業の競争力の強化、世界で対等に伍していき続けるためにも、社会の生産性を高めて、我が国の持続可能性に貢献するのだということのメッセージも常に出していきたい。その実現に向けて、先ほど御紹介した取り組みなど、関係省庁と連携しながら強めていきたいというふうに考えております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございます。まさにその取り組み、本当に期待をしているわけでございます。

 

 現場の、私も仕事をやる上でイメージを結構大事にするんですけれども、例えば家庭に介護が必要なお父さん、お母さんがいらっしゃる、でも、重要な仕事を抱えて、そして能力がある、そういった方が介護があるということで会社を退職するようなことがあっては、また非常にもったいない話。

 

 そういう意味では、私も企業にいましたので、まず集まって、問題点に対して現状を共有して、それぞれ、誰がいつまでにどういった調査をして、ここで持ち寄って解決策を追求しようじゃないか、そして、それぞれ散ってやるわけです。まず、そういった会議の場なんかは、テレワークとよく言われるんですけれども、一定の時間に、家でもどこでも一緒になって会議をする時間帯を決めていく、そして、そこで打ち合わせる。打ち合わせたことを、今度は自分なりに、現場に行かなければいけないこと、デスクワークでできること、整理をしながら、そして成果を求めていく。

 

 そのときに、会議に出るときにはヘルパーさんに来てもらう、また、現場に行って調査をしなければいけないとき、計画的にこの日は来ていただいて、あるいはショートステイを使って、そして仕事と介護を両立させながら、より効率的な仕事を実現していく。

 

 そういったモデルとかイメージを持ちながら、具体的にテストをしながら、それを横に展開していく。そういった具体的なイメージを持ちながら、このワーク・ライフ・バランス、何としても実現をしていただきたい、このように思うわけでございます。

 

 そして、今、ちょっと具体的なイメージということでお話をさせていただいている中で、一つだけ、もし答えていただけるのであればということで質問させていただきます。

 

 先日、小泉政務官がここで、少子化対策ということで私的な意見を述べられました。私、非常に感動しまして、今、第三子に対していろいろな対応というか支援があるんだけれども、私としては、第三子まで届かない、まず第一子にしてほしいんだ、そういった現場の思いというのは、ああ、なるほどなと。第三子となると、二人目があって三人目で遠い話だ、余り自分たちには関係ない、でも、第一子に支援があるとなると、これはという、そういった思いになるという現場の意識、ああと思いました。

 

 そんなときに、これが適切かどうかわからないんですけれども、三十歳以下で結婚してお互いに子供が生まれた場合はその支援が倍になるとか、そして、とにかく第一子が生まれることによって二子、三子の可能性が生まれてくる、そういった現場、現実のお声を聞きながら、その生活に根差した形での制度の推進というものがより効果的な政策につながってくるのかなと。そういった面では、本当に現場の意識をよく確認しながら、また、実態の中で即した制度の取り組みが必要かと思うんです。

 

 ちょっと申しわけないんですが、この点について、もし御感想があれば一言いただけるとありがたいんですけれども。

 

    〔亀岡委員長代理退席、委員長着席〕

 

○有村国務大臣 この三月に、今後五年間のありようを定めていく少子化社会対策大綱を閣議決定させていただきました。そこで初めて、第三子以降の多子世帯をさらに応援していこうという価値観を明確にさせていただきました。同時に、少子化対策という意味では、妊娠、出産、子育てという従来の段階だけではなくて、そもそも結婚の機会を応援していこうという価値観を初めて出させていただきました。

 

 時間の制約で短くいたしますが、この三十年で、第一子を出産するお母さんの年齢は実に四年もおくれて、ビハインド、後ろになっています。一九八〇年代は二十六・四歳で第一子出産、今、お母さんたちは全国平均で三十歳を超えました。そういう意味では、第一子が授かれるような、そしてその希望がかなうようなこと、そしてそれが若い段階でできるような、そういう支援ということを積極的にやっていきたい。

 

 問題意識を共有して、第一子が生まれないと第三子も生まれませんので、そういう意味では、早い段階で希望がかなうようなところに集中的にここは加配をするなど、重点化を明確にしていきたいと考えております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。突然で、どうも済みません。

 

 では、次の質問に移らせていただきます。多文化共生ということで聞かせていただきたいと思います。

 

 今、日本、約二十万人の定住外国人の方がいらっしゃる。そういった定住外国人の皆様が、ここで子供が生まれて、また新しい第二世が成長する、そういった一つ一つの段階において、安心してここで暮らせて、そして日本の社会を担う一員としての自覚を持ちながら成長していくことは非常に大事なことだ、また、そのことが日本の将来の安心と安全、さらなる成長にもつながってくるというふうに私は考えているわけでございます。

 

 この取り組み、まず、国として、どのような形でこの多文化共生に対しての取り組みを進められているのか、教えていただけますでしょうか。

 

○武川政府参考人 内閣府におきましては、平成二十年以降の厳しい経済状況のもとで生活困難な状況に置かれました日系人を初めとする定住外国人を支援するため、関係府省から成る日系定住外国人施策推進会議を開催し、累次にわたって対策を策定いたしております。

 

 昨年三月には、永住者として在留する者の割合の高まりなどの日系定住外国人に関する情勢の変化を踏まえ、「日系定住外国人施策の推進について」を取りまとめたところでございます。具体的には、日本語教室の実施、公立学校による受け入れ体制の整備、日本語コミュニケーション能力の向上等を目的とした就労準備、医療通訳が置かれた病院の整備等の施策を盛り込んだところでございます。

 

 内閣府におきましては、引き続き、関係省庁や自治体と連携しながら、日系定住外国人施策の推進に努めてまいりたいと考えております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございます。

 

 内閣府として、こういった取り組みが進められている。しかし、今、日系の定住外国人ということで、地域には、日系でない外国人の方もたくさんいらっしゃると思います。それぞれ現場で対応されている。

 

 そういった取り組みの中におきまして、総務省として、地域での取り組みに対してどのような認識をお持ちなのか、お聞かせ願えますでしょうか。

 

○安田政府参考人 外国人住民が増加している現在、自治体にとりまして、外国人住民との多文化共生に取り組むことは重要な課題になってきているというふうに認識してございます。

 

 総務省におきましては、平成十八年に多文化共生プランを提示いたしまして、各自治体において、地域の実情に応じた多文化共生の計画や指針の作成を促してきたところでございます。このプランの提示から約十年が経過いたしまして、外国人住民の出生地が多様化し、また高齢者対策や就学、就労支援施策の比重の高まりなど、施策、課題の重点もシフトしてきていると認識しております。

 

 総務省といたしましては、時代に対応し、地域の課題解決に資する多文化共生施策を推進してまいりたいと考えております。

 

○輿水委員 どうもありがとうございます。

 

 今、内閣府の方では、日系定住外国人、そういった形でさまざまな取り組みを進められて、地域で現場に即した取り組みが進められている。日系定住外国人約二十万人ということで、約一割、それ以外の百八十万人、その皆さんがまだいる。それぞれの地域でいろいろな取り組みをされている。

 

 今後は、この全体観に立って、日系外国人の方も、また地域に住んでいる方も、総務省また内閣府とよく連携をとりながら、全体としてどういった形で、将来、外国定住者の方が、安心して、この日本の環境の中で、一人の、支える一員として大きく成長できるか、生活できるか、そういったこともぜひ考えていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

 続きまして、核兵器のない世界を目指しての日本のリーダーシップについて伺いたいと思います。

 

 先日、NPTの再検討会議では、残念ながら最終文書の採択には至らなかった。しかし、その際、日本が核の非人道性を一生懸命訴えて、そして、広島の地、また被爆地で、そういった皆さんを集めて、NPTという会議ではなくて、新しい、民間レベル、また一人一人の思いから新しい情報を発信していく、そういった土壌はできたのかな、このように考えているわけでございます。

 

 まさに原爆が投下されて七十年の節目に当たる、こういったときに、あらゆる人脈を使いながら、被爆地である広島と長崎に世界のリーダーあるいは世界のミュージシャンや俳優などを迎えて、新たな核兵器のない世界へのメッセージを発信し、そのことで世界じゅうの核を廃絶するための意識を醸成していく、こういった取り組みも必要かと思うんですけれども、考えをお聞かせ願えますでしょうか。

 

○引原政府参考人 お答え申し上げます。

 

 我が国は、核兵器のない世界の実現のためには、核兵器国と非核兵器国が協力をしていくということが不可欠であると認識しておりまして、そのための触媒として、核兵器の非人道性に対する認識の共有というのは極めて大切でございます。

 

 核兵器の非人道性の認識を高めるためには、ただいま委員御指摘ありましたように、各国の政治指導者あるいは若者、世界じゅうのさまざまな人たちが広島、長崎を訪れて、自分の目で被爆の実相に直接触れていただく、それによって、核兵器のない世界に向けた思いを共有していただくということが大変有意義でございます。これが、核兵器のない世界の実現に向けた機運を高め、国際的な核軍縮・不拡散の推進につながるものと認識をしております。

 

 こうした観点から、我が国といたしましては、例えば、昨年四月に軍縮・不拡散イニシアチブの外相会合を広島で開催いたしました。その際に、このグループのメンバーの外相その他多くの方々に被爆の実相に直接触れていただく、あるいはこのグループ参加各国の若者によるユース非核交流プログラムといったようなものも実施したところでございます。

 

 また、そのほかにも、これまで、さまざまな機会、各国要人や国際機関の長の訪日の機会等には、広島、長崎への訪問の機会を設けるように努めているところでございます。

 

 また、我が国は、先週閉幕いたしました二〇一五年NPT運用検討会議の初日に、岸田大臣から、一般討論演説の中で、世界の政治指導者あるいは若者が被爆地を訪問し、自分の目で被爆の実相を見ていただく、このことを呼びかけ、最終的にコンセンサスは成立いたしませんでしたけれども、全体議長により提示された最終文書案にもこの趣旨が盛り込まれたというところでございます。

 

 今後の具体的な取り組みといたしましては、例えば、本年八月に広島で予定されております国連軍縮会議、あるいは十一月に長崎で予定されておりますパグウォッシュ会議、こうした会議を通じて、その会議の参加者に被爆の実相を見ていただく、あるいはその機会に、広島・長崎ピースプログラムとして、二万人を超える若者の方々に被爆地を訪れていただく、こういったことを予定しております。

 

 こういったことも踏まえて、今後とも、さまざまな機会を活用しながら、唯一の戦争被爆国として引き続き被爆の認識を世界に広めていく、こうしたことを通じて、核軍縮の取り組みにおける国際社会の機運の向上ということに努めてまいりたいということでございます。

 

 以上でございます。

 

○輿水委員 どうもありがとうございました。

 

 唯一の被爆国として、そういった核軍縮への機運を、また、世界のそういった意識の醸成をしっかりと進めていただきたい、このように思います。

 

 あと、きょう、ギャンブル依存症の実態の調査という質問もあったんですけれども、本当に時間の都合で、次回に回させていただきたいと思います。

 

 本日は大変にありがとうございました。