新興国への技術援助を起点とした、海外ビジネスの展開を!

ラオス共和国

 今日、厳しい財政事情のなか、各自治体においては、その様々な資源を最大に活用しながら収益を得るための取り組みが積極的に展開されています。本市でも広告事業の展開や、回収した放置自転車の売却などを進めて来ました。このような背景の中、いくつかの自治体は、民間企業と提携して、世界の水ビジネス市場に乗り出そうとしています。

 この世界の水ビジネス市場は、特に経済成長の著しい新興国では、漏水や盗水への対応、料金徴収体制の整備などが喫緊の課題となっており、2025年に86兆円規模、さらに将来的には100兆円規模になるとも言われおります。このような実態に対して、東京都や大阪市、北九州市、川崎市などは、民間事業者と提携しての、新興国のインフラ整備事業の獲得に向け動き出しています。

 北九州市では、平成11年よりカンボジアの首都プノンペンにて、平成13年より友好都市の中国・大連にて、給水や漏水防止における技術協力を続けてきました。そして本年度、北九州市海外ビジネス推進協議会を設置し、カンボジアや中国・大連を始めとする、国際協力事業や国際友好活動を通して培ってきた人脈を最大限に活用しながら、民間企業との技術提携による、海外の水ビジネスの展開に取り組み始めました。

 ここで、さいたま市も、北九州市よりも7年も前の平成4年から、ラオス共和国の給水事業への技術協力を続けており、この18年間で強固な信頼関係を築いているものと思います。

 このラオス共和国は、人口640万人、面積24万平方キロで、ナムグム・ダムを始めとする水力発電によって、東南アジアのバッテリーと呼ばれています。また、スズ鉱床の埋蔵量は100億トンに及ぶと見積もられており、その他、アンチモン、イオウ、金、タングステン、鉄、銅、鉛、マグネシウム、マンガンの鉱床も発見されています。

 このラオス共和国は、2008年、2009年と連続して、約8%の経済成長を実現しており、最近、初の民間航空会社による国内線の運行が開始され、2012年には国際線の就航も検討されております。更に、民間事業者によるラオスへの老後の移住プランも進められており、今後の飛躍が期待されております。

 いよいよ、このラオス共和国とさいたま市の間の信頼関係を大きな資源として、互いの繁栄と発展のための事業展開について、調査・研究を進め、水ビジネスの展開とともに、さいたま市を起点とした、日本とラオスの経済交流の振興を追求すべきと考えます。

 

(※この記事はさいたま市議会議員時代の記事です)