科学技術の発達により、人やものそして情報が短時間で世界中を自在に駆け巡る時代に入った。この社会のグローバリズム(地球一体化)により、異なる宗教、国籍、また民族・人種の交流が、今日急速に進んでいる。
この国際的交流は、相互理解を推進し人類の未来のための新たな国際的な協力体制を生み出す反面、相互の誤解を拡大し様々な紛争を引き起こす。今こそ、人類の21世紀の繁栄と発展のために、紛争の原因である相互の誤解を解きほぐし、相互理解のネットワークを世界に張り巡らせることが必要である。
イギリスの大歴史家・トインビー博士は、「私の経験では、伝統的な偏見を徐々になくしてゆくのは、個人的な付き合いであった。どんな宗教、国籍、あるいは人種の人とでも、その人と個人的に付き合えば、必ずその人が自分と同じ人間であることがわかる」と断言した。
ハーバード大学のヤーマン博士は、21世紀の地球文明に平和を築いていく上で欠かせないものは「対話」であり、その急所として、「相手を尊敬すること」と「耳を傾けること」を指摘している。
一人の人間として、相手を尊敬し、耳を傾ける。その胸襟を開いた「対話」が「思い込み」や「先入観」を拭い去る。相手も人間、こちらも人間、そこに何の差別もないと分かれば、心と心が通い、強い信頼と友情の道が開かれていく。
恩師の「誠実が、真剣さが、人の心の固い扉を開く。誠意によって動かせぬ心はない!」との激励を胸に、人との出会いを大切に、誠実に相手を尊敬し、真剣に耳を傾けることを常に心がけて、信頼と友情のネットワークを我が地域に、そして世界中に広げて行きたい。
(※この記事はさいたま市議会議員時代の記事です)