近年、いじめや非行など児童生徒を取り巻く問題や事件が増加している中、相談体制の拡充などいじめ被害者を救済する対策の推進と並行し、根本的にいじめを撲滅するための教育環境を整備していきたいと考えています。
ここで、根本からいじめを撲滅させるためには、相手が何をかんがえているか察知する、相手のことを思いやれる、悩んでいることや嫌がっていることがわかる、弱いものへの思いやりや自分が果たすべき責任を感じる心などといった、感受性を育む教育の推進が必要であると思っています。
そして、子どもたちの感受性を育むためには、大人が子どもと同じ目線に立って、一緒にものごとに取り組む中で、一人の人間として“どんなことを感じたのか”、“どんな思いで行動しているのか”等、を語り合うことが必要不可欠であると確信しています。
例えば、物語や出来事について、登場人物がどんな思いになったのか、どのように行動すべきだったのか等について語り合うことで、人を大切にする心などを育くむことができ、また、学校で飼育している小動物を本当に大切にする姿を大人や教師が示すことにより、弱い生き物への思いやり等を育むことができるのではないでしょうか。
しかし現状は、親や教師は仕事に追われ子どもと共に過ごす時間が取れない、更に、子ども達もテレビやゲームに夢中になり、また習い事や塾に追われ、親や教師と語り合う時間がほとんど無い状態です。このような現実を打開するために、今こそ学校、家庭、地域の教育環境の変革に全力を傾注すべきであります。
具体的な取り組みとして、①教師と子どもが触れ合う時間の確保(教師の事務作業等の削減や感受性を育む授業の時間を確保)、②親への育児相談体制の整備(父兄専門の教育相談員の配備)、③地域で子どもを育む仕組みづくり(学校施設を活用した、放課後の全児童を対象にした育成事業の展開)に全力を尽くし、この教育改革をもって、潤いあふれる子育て・教育環境の構築をめざして参ります。
(※この記事はさいたま市議会議員時代の記事です)